通変星 · 印

偏印(へんいん)
成る形・崩れる形・運の取り方

梟神。自分を生む気の裏面 — 食神を奪う星であり、行き過ぎた食神を治める星

日干を生む五行・同じ陰陽8日柱

1. 偏印とは

偏印は、日干を生む五行のうち、陰陽が同じ星です。印綬と同じく自分を生み、守る気ですが、古典は偏印を梟神(きょうしん)とも呼びます。梟は子を食うとされる鳥 — 偏印が食神を剋して食神の働きを奪う(梟神奪食)からです。月支が印にあたる命式は印綬格として読み、偏印はその中で食神との関係が要点になります。

偏印の吉凶は、食神との関係で決まります。食神を奪えば才能と食べていく力の器をひっくり返す凶星、行き過ぎた食神を抑えて正官や七殺を守れば、特殊な知略の星になります。印綬格としての成り立ち — 官が印を生む形、殺印相生、印が多いとき財で制する形 — は印綬と共通です。

印綬・偏印をまとめて印星と呼びます。 通変星は「字」ではなく「日干との関係」の名前です。同じ壬でも、甲日干には偏印、別の日干には別の星になります。

2. 日干別 — あなたの偏印はこの字

日干が決まれば、偏印にあたる天干は一つに決まります。地支は本気(蔵干の主)で対応させています。

日干五行偏印の天干偏印の地支(本気)
きのえ陽の木
きのと陰の木
ひのえ陽の火
ひのと陰の火
つちのえ陽の土
つちのと陰の土
かのえ陽の金辰・戌
かのと陰の金丑・未
みずのえ陽の水
みずのと陰の水

3. 偏印が格として成る形

月支が偏印にあたる命式、または偏印を用神にとる命式で、古典が「成格」とする形です。

偏印が食神を抑えて正官を守る

印綬格に食神が透って正官を剋そうとするとき、偏印が食神を制して正官を守る形。自分の表現欲を抑えて組織の目標と名誉を優先する — 戦略的な判断で自分の立場を守る格です。

強すぎる食神を偏印が治める(梟神得用)

食神が七殺を制する形で、食神が強すぎて七殺を無力にしかねないとき、偏印が食神を適度に制する形。過ぎた食神を抑えて七殺の権威を保つので、格が成ります。部下が強すぎて上司を侮るとき、特殊な知略で秩序を立て直す読み方です。

正官が印を生む(官印双全)

印綬格に正官が透って印を生む形。学問の土台の上に地位が立つ — 組織で安定して認められ、高い地位に上がります。

七殺が印を生む(殺印相生)

印が弱い印綬格が七殺に会い、七殺が印を生んで格を補う形。難関が学問と名誉を育てる原動力になる — 危機を機会に変える力です。

印が多すぎるとき、財で制する

印が多く日干も強くて濁ったとき、財星で過ぎた印を制する形(ただし印の根が深いこと)。理想と学問に偏らず、現実の成果を作る力になります。

4. 崩れる形

同じ偏印でも、次の形は「破格」または格が下がる形です。多くは救う字(救応)があれば戻ります。

偏印が食神を奪う(梟神奪食)

食神格が偏印に剋されて食神の働きが壊れる形。才能と活動力が塞がれ、職業の変動が多く、衣食に困ることがあります。財星が透って偏印を抑えれば、格は救われます。

食神制殺の形に偏印が透る

食神で七殺を制している形に偏印が現れて食神を剋す形。七殺を抑えていた食神が無力になり、抑えの外れた七殺が暴れます。信じていた部下に裏切られるような読み方です。

正印と偏印が混ざる

印を用いる形で正印と偏印が天干に両方透った形。印が混雑すると秀でた気が濁り、考えが複雑になって方向を失いやすく、格が下がります。

財が印を壊す(貪財壊印)

印が弱く財が強くて、比劫が財を抑えられず、財が印を直接壊す形。目先の利益を追って自分の土台を崩す — 文書・契約・学業に問題が出て、暮らしが不安定になります。

5. 運の取り方

原局の形ごとに、喜ぶ運と忌む運が分かれます。

偏印が食神を剋している形

財運が最も良く、財が偏印を壊して塞がれていた才能と福禄を解き放ちます。食傷運も吉。印運がさらに来るのは最も凶で、官殺運も病である印を生むので不利。

食神が強すぎて七殺が弱い形

印運が最も有利で、過ぎた食神を抑えて七殺が再び働けるようにします。財運も弱い七殺を助けるので、かえって吉。

殺印相生の形

食傷運・比劫運が吉。印を壊して七殺を甦らせる財運は、ただちに凶が来ます。

財が印を壊している形

病である財を抑える劫財運が最も良い。財と印の間をつなぐ官運、弱った印を助ける印運も吉。財運は凶。

6. 日支の本気が偏印になる日柱 — 8柱

六十日柱のうち、日支の本気が日干から見て偏印にあたる柱です。配偶者の座に偏印の気が入る形で、ご自分の日柱があればクリックしてください。

日柱日支と本気十二運
丙寅日柱寅 → 本気 甲外へ出ていく座長生
丁卯日柱卯 → 本気 乙人と繋がる座
辛未日柱未 → 本気 己受け止める座
壬申日柱申 → 本気 庚動く座長生
癸酉日柱酉 → 本気 辛整える座
庚辰日柱辰 → 本気 戊抱えこむ座
辛丑日柱丑 → 本気 己静かにため続ける座
庚戌日柱戌 → 本気 戊守る座

日支の本気だけで格は決まりません。格は月支と天干の透出で決まります。上は日柱と偏印の縁を見るための一覧です。

よくある質問

偏印とは何ですか。

日干を生む五行・同じ陰陽にあたる星です。梟神。自分を生む気の裏面 — 食神を奪う星であり、行き過ぎた食神を治める星を表します。

自分の偏印はどの字ですか。

日干によって変わります。上の早見表で、ご自分の日干の行をご覧ください。日干が分からない場合は、生年月日から日柱を出す計算ページをご用意しています。

偏印と印綬はどう違いますか。

どちらも日干を生む五行ですが、偏印は陰陽が同じ、印綬は陰陽が違う星です。格としてはどちらも印綬格として読みますが、偏印には食神を剋す性質があり、梟神とも呼ばれます。

偏印は凶星ですか。

食神を奪う形では凶ですが、強すぎる食神を治める形では格を成す星です。古典は「偏印が過ぎた食神を制して七殺の権威を保つ」形を成格として挙げています。凶星と決めつけず、食神との関係を見ます。

通変星は日干との関係です

同じ字でも、日干が違えば通変星は変わります。年・月・日・時の四本と大運まで合わせて読むと、格の成り立ちが見えます。

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