鋭く出ていく気。非凡な才能・弁舌・批評 — そして正官を傷つける星
傷官は、日干が生み出す五行のうち、陰陽が違う星です。「官を傷つける」という名のとおり、正官と向き合うと剋してしまう性質を持ちますが、その本体は鋭い才能・弁舌・発想です。月支が傷官にあたる命式を傷官格と呼び、古典は「秀」の字でその聡明さを表します。
傷官の鋭さは、財に流せば富になり、印に抑えられれば学問と結びついて貴になります。流す先も抑える手もなく正官とぶつかる形が、いわゆる傷官見官です。ただし冬の金日干が火の官を見る金水傷官は例外で、寒い命式を温めるために官を喜びます。
食神・傷官をまとめて食傷と呼びます。 通変星は「字」ではなく「日干との関係」の名前です。同じ丁でも、甲日干には傷官、別の日干には別の星になります。
日干が決まれば、傷官にあたる天干は一つに決まります。地支は本気(蔵干の主)で対応させています。
| 日干 | 五行 | 傷官の天干 | 傷官の地支(本気) |
|---|---|---|---|
| 甲 きのえ | 陽の木 | 丁 | 午 |
| 乙 きのと | 陰の木 | 丙 | 巳 |
| 丙 ひのえ | 陽の火 | 己 | 丑・未 |
| 丁 ひのと | 陰の火 | 戊 | 辰・戌 |
| 戊 つちのえ | 陽の土 | 辛 | 酉 |
| 己 つちのと | 陰の土 | 庚 | 申 |
| 庚 かのえ | 陽の金 | 癸 | 子 |
| 辛 かのと | 陰の金 | 壬 | 亥 |
| 壬 みずのえ | 陽の水 | 乙 | 卯 |
| 癸 みずのと | 陰の水 | 甲 | 寅 |
月支が傷官にあたる命式、または傷官を用神にとる命式で、古典が「成格」とする形です。
傷官格で日干が強く、傷官が生む財星が地支に根を持つ形。傷官の鋭い気を財で和らげ、凶を吉に変える貴格です。非凡な発想と手腕を事業につなげる力で、大きな富を成せます。
月支の傷官が三合・方合で財星に変わる形。才能がそのまま結果物に変わる最上の構造で、非常に秀でた大貴格です。
傷官が旺じて日干がやや弱いとき、根のある印星が傷官を適度に抑える形。暴れる野生馬に騎手がついた形で、批評の才能を教育・研究・法律などの専門分野で活かします。夏の木日干が水の印を見るなど調候も兼ねれば、最上級の貴格です。
傷官が多く身弱の命式で、七殺と印星が揃い、「七殺→印→日干」の流れと「傷官→七殺」の制御が同時にできる形。財がなければ貴格です。難題を知恵で味方に変える権力型の格。
冬の金日干の傷官格が、例外的に正官(火)を用いる形。凍った命式を溶かすために官が必要で、財と印の補佐があれば宰相に至る貴格です。ただし傷官と正官が天干で並ぶと格は下がります。
傷官格で財星が間に立ち、傷官の気が財を生み、財が正官を生む形。傷官見官の凶が消え、財旺生官として貴格になります。才能が財を生み、財が名誉を生む流れです。
同じ傷官でも、次の形は「破格」または格が下がる形です。多くは救う字(救応)があれば戻ります。
傷官格が正官を見て、正官を剋す形(金水傷官は例外)。既存の規則と権威に正面から挑む — 官災・口舌、名誉の失墜、組織との不和が起きやすい。印星や財星が間に立てば救われます。
日干が強く傷官は弱いのに、印星が過剰な形。溢れる力を流す傷官が弱く、その弱い傷官を印がさらに抑え込む。何もできない、怠惰で貧しい命になりやすい。
傷官が財を生む形に見えて、比劫が多く財を奪い合う形。自分が用意した食卓に競争相手が群がって食べ尽くす — 共同事業の失敗や裏切りで財を失いやすい。
傷官佩印の形で、正印と偏印が天干に両方透った形。印が混雑すると秀でた気が濁り、格が下がります。
原局の形ごとに、喜ぶ運と忌む運が分かれます。
身弱で財が旺じているなら印運・比劫運で日干を助けるのが吉。身強で財が弱いなら財運が最も良く、傷官運も財を生むので吉。
官殺運が来て印を生むのが最も良く、印運も吉。財運は印を壊すので非常に凶です。
財運か印運が来て傷官と正官の争いを仲裁するのが吉。傷官運が重ねて来ると正官が壊れて凶。原局の財・印が両方とも強ければ、比劫運・傷官運が来ても大きくは崩れません。
六十日柱のうち、日支の本気が日干から見て傷官にあたる柱です。配偶者の座に傷官の気が入る形で、ご自分の日柱があればクリックしてください。
日支の本気だけで格は決まりません。格は月支と天干の透出で決まります。上は日柱と傷官の縁を見るための一覧です。
日干が生む五行・違う陰陽にあたる星です。鋭く出ていく気。非凡な才能・弁舌・批評 — そして正官を傷つける星を表します。
日干によって変わります。上の早見表で、ご自分の日干の行をご覧ください。日干が分からない場合は、生年月日から日柱を出す計算ページをご用意しています。
正官と直接ぶつかる形(傷官見官)は組織との不和が出やすい形ですが、財に流す形や印で抑える形なら、傷官は非凡な才能として働きます。傷官があること自体より、その気がどこへ流れているかを見ます。
傷官が非常に強く正官がない形を傷官傷尽と呼び、昔から貴格とする説がありますが、古典の著者は「実際には貧しい人のほうが多く、信じがたい」と批判しています。この形だけで富貴を断定しません。
同じ字でも、日干が違えば通変星は変わります。年・月・日・時の四本と大運まで合わせて読むと、格の成り立ちが見えます。
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